岩手県 共通

ヒヤリハットの作り方

高齢者のヒヤリ体験の集め方・整理の仕方と、講習会での活かし方。

ヒヤリハットとは

ヒヤリハット(ヒヤリ・ハット体験)とは

国土交通省(福山河川国道事務所)は、ヒヤリ・ハット体験を「交通事故には至らないものの、一歩間違えれば交通事故になる可能性が高かった体験のことです。」と説明しています。

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」(交通労働災害の防止のページ)でも、「人身事故となるような大きな事故も、かすった程度の小さな事故も、ヒヤリ・ハットしただけで事故にならなかった場合も、実はほんの紙一重の差に過ぎません。」としています。

ヒヤリ体験は、事故になってもおかしくない状況で、幸いにも事故にならなかった、あるいは事故を回避できたケースを表わす言葉です。したがって、ヒヤリの原因は交通事故の原因とほとんど変わりません。

—— 日本自動車工業会「いきいき運転講座」リーダー用教材(7章.ヒヤリ体験を生かす レベル1、P91)より

動画で見る(YouTube)

  • 【警察庁】交通事故から守ろう!子どもの命(運転者編)字幕あり (外部サイト)

    警察庁/NPA(警察庁公式チャンネル)長さ:17分58秒公開日:2022年4月4日

    警察庁が公開しているドライバーのための交通安全教育用動画。ヒヤリハット映像等を基に、俳優の的場浩司さんが、歩行者との交通事故を防止するために、運転者として気を付けなければならない点について解説している(概要欄より)。

ハインリッヒの法則(1:29:300)

アメリカの保険会社に勤めていたハインリッヒという人が、保険の対象となる事故について、重大事故と小さな事故、ヒヤリですんだケースの比率を調べ、重大事故1つの後ろには小さな事故が29、その後ろには幸い事故にはならなかったヒヤリ体験が300あるという法則を見つけました。これを「ハインリッヒの法則」といいます。

ヒヤリ体験を大事にして事故対策を考えれば、小さな事故は防げますし、小さな事故のうちに安全な対策をほどこしておけば、重大事故は防げます。

—— 日本自動車工業会「いきいき運転講座」リーダー用教材(7章「今日、覚えてほしいこと」、P83)より。和歌山県「ヒヤリハットマップをつくろう~その手引き~」にも同じ説明があります
重大な事故
1件
小さな事故(軽微な事故)
29件
ヒヤリ体験(ヒヤリ、ハット)
300件
  • ※国土交通省 福山河川国道事務所のページでも、重大事故の背景には「何十倍もの軽傷事故と、何百倍ものヒヤリ・ハット体験が発生しているといわれています」と説明しています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ体験の集め方

日本自動車工業会「いきいき運転講座」の「ヒヤリ体験を生かす」

日本自動車工業会(自工会)は、高齢ドライバーの方々がリーダーや班長になって、話し合いを中心に自分たちの力で進める交通安全教育プログラム「いきいき運転講座」の教材を、ホームページで公開しています。4つの「交通安全トレーニング」の一つが「ヒヤリ体験を生かす」で、参加者の居住地域の地図にヒヤリとした交通体験を書き込み、原因や対応を話し合い、地域の危険箇所やヒヤリを防ぐ方法を考えます。

「ヒヤリ体験を生かす」には3つのレベルがあり、教材(リーダー用教材の7~9章)には、参加者に配るワークシートと、読みあげて使える台本がついています。

レベル内容時間の目安(準備、あとかたづけを除く)
レベル1(7章)運転者なら誰でも経験する「ヒヤリ体験」を話し合い、原因を探り合う。ヒヤリ地図づくり(レベル2、レベル3)への動機づけにもする。約1時間30分
レベル2(8章)自分たちでつくった地域の地図の上に、ヒヤリ体験をシールを貼って表す「ヒヤリ地図」をつくる。約1時間50分
レベル3(9章)レベル2でつくったヒヤリ地図に、過去3年間の実際の事故の場所を加えて比べる。約1時間40分
  • ※どのレベルも、リーダーあいさつの後に「交通脳トレ」(簡単な計算、音読、文字ひろい、間違い探しなど)を10分行います。
  • ※時間などに制約があり1度にできないときは、2回に分けて実施するよう案内されています。
  • ※自工会の「進め方の手引き」では、トレーニングの選び方にかかわらず、「いきいき運転・いきいき生活」レベル1を基本項目として必ず加えるよう案内しています。
  • ※教材の利用条件(自工会のページより):「目的外の使用、営利目的のご使用はご遠慮下さい。」

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  • 「いきいき運転講座」の進め方 (外部サイト)

    一般社団法人日本自動車工業会長さ:6分27秒公開日:2018年7月24日

    日本自動車工業会のページ「高齢ドライバーのための交通安全教育プログラム」の「いきいき運転講座」の欄に、「「いきいき運転講座」の進め方」の見出しで掲載されている動画。

レベル1「ヒヤリ体験を話し合う」の流れ

参加者を5~8人の班に分け、班長が進行役になって話し合います(時間は教材の目安です)。

  1. STEP 1準備(10分)参加者の人数に合わせて、リーダーがあらかじめ班長を決めておきます。机やいすを並べかえ、班ごとに着席します。
  2. STEP 2リーダーあいさつ(10分)班ごとに自己紹介(お名前、お住まいの地域、運転歴、最近車で出かけた所など)をします。リーダーは今日の目的を話し、自分にヒヤリ体験があれば、できれば図に書いて話します。
  3. STEP 3交通脳トレ(10分)「交通脳トレ」の問題2枚に取り組みます。
  4. STEP 4ワークシートに記入(10分)ワークシート「みなさんへの質問」2枚を配り、参加者に記入してもらいます。
  5. STEP 5班ごとの話し合い 問1~3(15分)運転の回数、夜の運転、外出先について1人ずつ発表してもらい、班長が簡単にメモしてまとめます。このあと休憩(5分)。
  6. STEP 6班ごとの話し合い 問4~6(20分)運転中のヒヤリ体験、危険な場所、ヒヤリ体験の具体例を1人ずつ発表してもらいます。興味深いヒヤリ体験を取り上げ、図にして説明してもらいながら、どうしていたらヒヤリとせずにすんだかを話し合います。
  7. STEP 7班の代表の発表(10分)代表的なヒヤリ体験例をホワイトボードか黒板(なければ模造紙)に書き、それをもとに説明します。
  8. STEP 8リーダーまとめ(10分)リーダーが今日の話し合いの感想を話し、「今日、覚えてほしいこと」を配って読んでもらい、まとめます。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ体験を話し合うときのポイント

ヒヤリを繰り返さないためには、なぜヒヤリとしたか原因を明らかにする必要があります。そうすれば同じ失敗はしなくなります。

—— 日本自動車工業会「いきいき運転講座」リーダー用教材(7章、リーダーあいさつの話し方の例)より
  • リーダー・班長は、自分のヒヤリ体験と、どのような注意をしていたらそのヒヤリ体験をしないですんだかを、事前に考えておきます。
  • 最近の経験でも昔の経験でも、どんなヒヤリ体験でもかまいません。
  • 班長は進行役になって、参加者1人ずつに発言してもらい、内容をメモします。全員の発言が終わったら、どんな意見が多かったか、興味深い意見は何だったかをまとめます。
  • ヒヤリ体験は、ホワイトボードか黒板(なければ模造紙)に道路の図を書いて説明してもらうとよいとされています。時期・時間・場所、ヒヤリとした相手、ヒヤリとした原因を話してもらいます。
  • 四輪車を運転しない方は、歩いているとき、原付や自転車で走っているとき、車の助手席に座っているときの立場で参加します。
  • 教材は、体験談を話してもらう理由として「それぞれのヒヤリ体験を全員で共有できる」「同じようなヒヤリ体験をしている話を聞くと共感できる」「違ったヒヤリ体験談で新しい知識を得る」を挙げています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ体験の整理のしかた

ヒヤリ体験を整理する項目(レベル1のワークシート)

「いきいき運転講座」レベル1のワークシート(みなさんへの質問 2、問6)では、ヒヤリとした体験を次の項目で思い出し、図にします。

ヒヤリとした相手
四輪車/二輪車/自転車/歩行者/電車/その他
ヒヤリとした場所
信号のある交差点/信号のない交差点/交差点以外の道/その他
そのヒヤリの原因(あてはまるものすべて)
あなたがうっかりしていた/相手がうっかりしていた
あなたがよそ見していた/相手がよそ見していた
あなたが相手を見落とした/相手があなたを見落とした
あなたが( )/相手が( )(自由に書く)
図にする
「あなたのヒヤリ体験を図にしてみましょう」の欄に描きます(交差点と車の動きを矢印で示した記入例があります)。
  • ※同じワークシートの問1~5では、運転の回数、夜の運転、車でよく行く所、運転中のヒヤリ体験の有無、よく通る所で事故が起きそうで危ないと思う場所の有無をたずねています。
  • ※話し合いで説明するときは、時期・時間・場所、ヒヤリとした相手、ヒヤリとした原因を話してもらいます(教材の「ポイント」より)。

出典(確認日:2026年9月28日)

用事・時間・場所の種類も書きとめる(レベル2のワークシート)

レベル2のワークシート(みなさんへの質問)では、ヒヤリ地図づくりの準備として、次のこともたずねています。

ヒヤリとした体験
車を運転していて(ある/ない)
歩いたり、自転車に乗ったりしていて(ある/ない)
ヒヤリとするのは、どんな用事で出かけたときが多いか
買い物/通院/散歩/仕事/友人・知人などの訪問/旅行/趣味の集まり/老人会/その他
ヒヤリとする時間は、何時頃が多いか
朝6時~9時/昼前9時~12時/昼すぎ0時~3時/夕方3時~6時/夜6時~9時/夜遅く9時~12時/深夜0時~3時/未明3時~6時
家の近くで、よく事故が起きる(起きてもおかしくない)場所の種類
信号のある交差点/信号のない交差点/曲がっている道路/樹木や看板などで見えにくい道路/駐車場付近/一方通行路/歩道のない道路/その他
  • ※和歌山県の手引きでは、ヒヤリ個所の説明を聞くとき、昼か夜か、晴れていたか、雨だったかなども確かめるとしています。

出典(確認日:2026年9月28日)

原因を考えるときの手がかり

教材(7章)のリーダーまとめの例では、ヒヤリの原因は交通事故の原因とほとんど変わらないとしたうえで、次のように説明しています。

事故が起きたときの運転者の違反で一番多いのは「うっかり」「よそ見」「見落とし」「発見遅れ」「危険と思ったものを注意し確認するのを怠った」「1方向だけ長く見ていた」「見えない所の危険を考えなかった」などのように、「見る」ことに関係したものです。

—— 日本自動車工業会「いきいき運転講座」リーダー用教材(7章、P91)より

出典(確認日:2026年9月28日)

高齢ドライバーの事故の特徴(教材の説明)

  • 交通事故の半数以上が交差点またはその付近で起こっていますが、年齢層の高いドライバーほど、信号機のない交差点での事故が多くなっています。
  • 車両相互の事故では、出会い頭や右折するときの事故の比率が高くなっています。交差点に進入するときや右折するときは、たくさんの情報をいっぺんに取り入れ、処理しなければならず、高齢になるとそれがちょっと苦手になることを反映しているものと考えられる、としています。
  • 衝突相手を見落とした理由は、とくに75歳以上のドライバーでは、相手が「見にくかった」(約21%)ということよりも、「いるはずがないとの思い込み」(約47%)で、あえて見ようとしなかったという理由が多いようです。
  • 高齢ドライバーの死亡事故では、車両単独事故の比率(とくに工作物衝突)が高くなっています。
  • ※教材(リーダー用教材 2020年改訂版)の「今日、覚えてほしいこと」に掲載された、(公財)交通事故総合分析センターの2018年のデータにもとづく説明です。

動画で見る(YouTube)

  • 【危険予知トレーニング】農道交差点編 ~コリジョンコース現象の注意~ (外部サイト)

    JAF Channel(一般社団法人日本自動車連盟)長さ:2分47秒公開日:2016年4月14日

    JAFの「「実写版」危険予知・事故回避トレーニング」の動画(SCENE27 農道交差点編)。田園地帯を抜ける農道を走っていて、交差点には一時停止の標識がないので、このまま直進しようと思う場面で、何に注意するかを考える。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ体験の例と防ぎ方の例(教材の参考例)

教材(7章)には、話し合いの参考として、次の3つの例が図付きで載っています。教材では、この3つの例を参考にして、ワークシート問6のヒヤリ体験を図にするよう案内しています。

場面どんなヒヤリか原因と防ぎ方(教材の説明の要点)
朝8時頃、狭い道路から広い道路へ出るとき広い道路を走ってくる車の流れが途切れたので左折しようと動きだしたら、自転車が急に車の前を横切った。本線に合流できるかどうか右の方ばかり見ていて、左から自転車が来たのに気がつかなかった。1方向だけを長く見るのは危険。動き出すときにも、横切ろうとする自転車や歩行者がいないか、もう一度確認する。
スーパーマーケットの駐車場でバックで駐車しようとしたら、何かに当たった。降りてみたら、ショッピングカートだった。自分の車のトランクのところまでカートを押してくる人が多く、駐車中の車の後ろを通ってくることもある。背の高い車の陰では、死角に入って見えないことも多い。駐車のスペースを見つける際、そうした人がいないかまで気をつける。
広い道を走っているとき相手は一時停止標識があるので止まって待つと思ったら、停止せずに交差点に飛び出してきた。相手が標識を見落としたり、止まったつもりでも前に出てきたりすることがある。「止まらないこともある」という気持ちで、ブレーキに足をかけて細心の注意を払う。
  • ※1つ目の例について教材は、ヒヤリとしたのは相手(自転車)も同じで、参加者の中に似た体験を持つ自転車利用者がいたら聞いてみるよう案内しています。

動画で見る(YouTube)

出典(確認日:2026年9月28日)

講習会での活かし方(ヒヤリ地図)

ヒヤリ地図(ヒヤリハットマップ)とは

名古屋市天白区は、毎日の生活の中で「車にぶつかりそうになった」等のヒヤリとした体験を地図で表したものをヒヤリ地図と言い、多くの人の情報を基に地図を作成することで、危険箇所を発見し、事故の予防につなげることができる、と説明しています。

和歌山県の手引きによると、交通安全へのヒヤリハットマップづくりは、公益財団法人国際交通安全学会の研究プロジェクトの中で、ハインリッヒの法則に基づき、鈴木春男千葉大学名誉教授らによって提案されたもので、当初は高齢者の交通安全意識を啓発する方法として提案されました。

ヒヤリハットマップの作製は、マップを作るのが目的ではありません。マップを作ることで、交通安全意識とコミュニティの結束力を高めることが目的です。

—— 和歌山県「ヒヤリハットマップをつくろう~その手引き~」より

出典(確認日:2026年9月28日)

シルバーリーダーとヒヤリ地図

内閣府の「交通安全白書」(令和2年版)には、高齢者交通安全指導員(シルバーリーダー)の養成等を促進し、老人クラブ等が関係団体と連携して「ヒヤリ地図」の作成等自主的な交通安全活動を展開し、地域・家庭における交通安全活動の主導的役割を果たすよう指導・援助を行ったことが書かれています。

「令和8年秋の全国交通安全運動推進要綱」でも、地域、家庭等における活動として「住民を主体とした交通安全総点検,ヒヤリ地図の作成等による危険箇所の把握と解消」が、福祉施設等高齢者が利用する機会の多い施設等における活動として「関係者等を交えた交通安全総点検,ヒヤリ地図の作成等による高齢者にとっての危険箇所の把握と解消」が挙げられています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ地図づくりの準備(用意するもの)

  • 白地図:その地域が示された白地図は、作業に絶対に必要なものです。市区町村役場で入手できます(教材では、できれば2,500分の1、ない場合は5千分の1、1万分の1)。何枚か貼り合わせて、1×1.5メートル程度の大きさにします。
  • 地図の範囲:参加者の自宅と作業をする会場、買い物や通院など日常的な行動範囲が含まれていることが必要です。範囲も参加者の話し合いで決め、貼り合わせる作業も参加者が行うことが理想的とされています。
  • 貼り付け用シール(タックシール):直径5ミリのもの。歩行者や自転車の立場から感じたヒヤリと、ドライバーの立場から感じたヒヤリの2色を使います(教材の例では赤と青、1人あたりそれぞれ30個くらい)。
  • 蛍光ペン(3色):みんながよく知っている施設や大きな道路、自分の家などに印をつけるために使います。
  • のり、ハサミ、作業用の机、まとめのためのレポート用紙など。大きな地図を使うときは、机を作業台になるように並べます。
  • ※和歌山県の手引きでは、参加者は1チーム15人前後、時間は2時間は確保しておくのが適当とし、畳に座ることが辛い方もいるので、イスに腰掛けられる会場をすすめています。地図の範囲は、一般的には町内会や地域の老人クラブ、小学校区、中学校区程度がおよその見当としています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ地図のつくり方(手順)

「いきいき運転講座」レベル2(8章)の進め方です。時間は教材の目安で、レベル2全体では約1時間50分(準備、あとかたづけを除く)です。

  1. STEP 1ワークシートに記入(5分)ワークシート「みなさんへの質問」を配って記入してもらい、班ごとに1人ずつ答えと理由を聞きます。
  2. STEP 2進め方の説明(5分)1. 白地図を貼り合わせる 2. 会場や家の位置に蛍光ペンで印をつける 3. ヒヤリとした場所にシールを貼る 4. シールが集中した個所について話し合う、という順序を説明します。
  3. STEP 3シールの色を決める(5分)参加者の意見を聞いて決めます(教材の例:歩いていて・自転車に乗っていてヒヤリとした場所は赤、車を運転していて、または運転していなくても車に乗っていてヒヤリとした場所は青)。このあと休憩(5分)。
  4. STEP 4地図の貼り合わせ(5分)のりとハサミを使って白地図を貼り合わせ、大きな地図に仕上げます。
  5. STEP 5目印と自分の家に印をつける(10分)学校、公園、スーパー、病院など誰でもよく知っている建物と、作業している会場に蛍光ペンで印をつけます。次に、自分の家に別の色で印をつけます。
  6. STEP 6ヒヤリとした場所にシールを貼る(10分+10分)まず歩行中・自転車に乗っていてヒヤリとした場所(赤)、次に車でヒヤリとした場所(青)に、1人ずつシールを貼ります。他の人が貼った場所でもかまいません。その部分は少しずらして貼ります。このあと休憩(5分)。
  7. STEP 7つくった地図の掘り下げ(5分)どこにシールが集中しているか、どんな時間帯に、どんな形で危険な思いをしたかを説明し合い、「できればこうすればヒヤリはなくなるのではないか」ということも提案し合います。
  8. STEP 8班の代表の発表(10分)1. ヒヤリ地図をつくってわかった危険な場所 2. 危険を招かない走り方、歩き方 3. グループで話し合った道路などの改善提案
  9. STEP 9ヒヤリ地図の活用方法の話し合い(10分)つくった地図を、地域の交通安全のために役立ててもらう活動に発展させるためのアイデアを出し合います。
  • ※2回に分けて行うときは、シールを貼り終えたところで1回目を終え、リーダーまとめを行うよう案内されています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ地図づくりで気をつけること

  • 参加者が上から言われて行うのではなく、自分たちのために、自分たちの企画で地図をつくっているのだと実感してもらうことが大事とされています。リーダーは一方的に話すのではなく、参加者から質問や提案を受けながら進めます。
  • シールを貼る場所が少ない人に劣等感を感じさせないように配慮します(教材の例:「思い出したら、後でいいですから貼ってください。」)。
  • 他の人が貼った所を、「そこは危なくない」などと否定してはいけません。
  • 同じ場所で何人もヒヤリとしたなら、少しずらして貼ります。何枚も貼られたところは、特に危ないところということになります。
  • シールがいくつも貼られた場所では、どんなヒヤリ体験や事故が多いのか、昼か夜かなども話し合います。貼った人に地図の前に出てきて話してもらうと、みんなにわかりやすくなります。

出典(確認日:2026年9月28日)

地図を掲示・配布するときの注意(著作権)

教材には、できあがった地図の活用例として「町内会の掲示板や小学校など、公の場所に貼って地域の人に見てもらう」「縮小コピーして、印刷して配る」が挙げられていますが、次の注意が書かれています。

自治体で入手した地図や市販の地図に手を加えたものを掲示したり、印刷・配布するときは、著作権の関係上、承認を受けることが必要です。もよりの自治体(都市計画課など)または発行元にご相談ください。

—— 日本自動車工業会「いきいき運転講座」リーダー用教材(8章、P103)より。和歌山県の手引きにも同じ注意があります

出典(確認日:2026年9月28日)

発展:実際の事故の場所を加えて比べる(レベル3)

レベル3(9章)では、レベル2でつくったヒヤリ地図の上に透明なビニールシートを置き、過去3年間に実際に起きた事故の場所に、1つの事故を1個の黒いシールにして貼ります。そのうえで、次の3つを確認し、どうしたら事故が防げるかを話し合います。

ヒヤリとしないのに、事故が多発している場所がもっとも危険な場所

—— 「いきいき運転講座」リーダー用教材(9章「今日、覚えてほしいこと 1」、P106)より
  • ヒヤリ個所と、事故現場が一致している場所
  • ヒヤリとしているのに、事故が起こっていない場所(潜在的危険個所)……こういう場所には事故が起きる危険が潜んでいます。
  • ヒヤリとしていないのに、事故が起こっている場所(真の危険個所)……みんなが安心し、あまり注意しないで通っている場所で事故が起きているため、もっとも危険な場所とされています。
  • ※事故の場所のデータは、地元の警察に相談します。教材では、事故の原票には当事者の住所や名前が入っているため、氏名や住所はいらないことをよく説明して入手方法を相談すること、時間に余裕をもってお願いすることを案内しています。
  • ※和歌山県の手引きでも、警察の協力で地域の「事故発生地点図」が手に入れば、ヒヤリハットマップとくらべてみることも大切だとしています。

出典(確認日:2026年9月28日)

ヒヤリ地図の事例

講座での工夫の例(「いきいき運転講座」活動好事例より)

  • 京都府田辺警察署(住民センターの講座、2011年の取材):参加者が市の全域から集まり、住むところがバラバラで1枚の地図におさまらないため、参加者ごとにお住まいを中心とした地図を1枚ずつ用意しました。ヒヤリ体験の発表は1人ずつ行い、シールを貼ったところの交通状況を重点に説明してもらいました。
  • 倉敷市児島交通安全協会(老人クラブの要望で開いた全12回の講座、2011年の取材):参加者の半数ほどが運転免許のない方で、歩行者・自転車利用者の立場で話してもらいました。担当者は「ヒヤリ個所は、ドライバー、歩行者、自転車では違いが出たので、相手の行動を理解するうえで役立ったと思います。」と話しています。

出典(確認日:2026年9月28日)

公開されているヒヤリ地図・手引きの例

  • 名古屋市天白区:学区連絡協議会や老人クラブの方等の協力を得てヒヤリ地図を作成し、学区ごとの地図(PDF)をホームページに掲載しています(区役所でも配布)。
  • 国土交通省 福山河川国道事務所:国道を利用する地域の人へのアンケートで寄せられた「ヒヤリ・ハット体験」(1,201件)をもとに、「ヒヤリ地図」(福山地区版、三原・尾道地区版)にとりまとめています。活用方法として、お出かけ前に目的地までのルート上の「ヒヤリ・ハット箇所」を確認すること、地域や職場、学校などで交通安全活動等を行う際に情報を共有することなどを挙げています。
  • 和歌山県:ヒヤリハットマップづくりを推奨し、作製マニュアル「ヒヤリハットマップをつくろう~その手引き~」(平成24年11月発行)を公開しています。和歌山県地理情報システムで、ヒヤリハットマップの作製に使う白地図を作成できるようにしています。

出典(確認日:2026年9月28日)

高齢ドライバーのヒヤリハットの例

JAF Mate Online「高齢ドライバーのヒヤリハット」

JAF Mate Online(JAFの冊子『JAF Mate』から誕生したオンラインメディア)の連載コラムです。高齢者の運転に詳しい専門家(岩越和紀氏、NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場から解説しています。

2022年3月から10月までに32本が公開されています。このあとの表は、各記事の題名と要点です(本文はリンク先でお読みください)。

  • ※記事の内容は公開当時のものです。
  • ※JAFの「高齢運転者のための情報サイト」からもリンクされています。

例:交差点・生活道路で、歩行者・自転車・子どもにヒヤリ

記事の題名公開日要点
EV、未だ残る静音の危険2022.03.15住宅街のT字路で、耳を澄ませて音を確かめながら進んだところ、左から音の静かな電気自動車(EV)が現れ、慌ててブレーキを踏んだ。音で車の接近に気づけないことがある。
年齢差なのか、予測不能な子供の動き2022.04.16道の真ん中で止まった自転車の子どもが、車の直前を横切った。子どもは目の高さが違い、動きも予想しにくい。
停留所の路線バス2022.05.09狭い道で、停留所に止まったバスを後ろの車が追い越したところ、右側の路地にいた自転車と危うく事故になるところだった。道幅が狭い所では、停留所のバスを追い越さずに後ろで待つ。
高齢者の自転車、つまずく2022.05.23高齢の女性の自転車が、歩道と車道のわずかな段差でバランスを崩して倒れ、その後、赤に変わった信号に気づかずに渡っていった。高齢者の自転車に近づくときや脇を通るときは、こうした危険も考えて余裕を持つ。
標識に従うか、誘導員に従うか?2022.06.09スーパーの駐車場出入口近くのT字交差点で、誘導員が早く行くよう合図しているように見えたが、一時停止をして出ようとしたところ、誘導員の背後から電動アシスト自転車が飛び出してきた。一時停止の場所ではしっかり止まって確認する。
和み運転は許されない2022.06.16生活道路から幹線道路に出ようと待っているとき、心温まる光景に気を取られ、後ろの車にクラクションを鳴らされて慌てて出ようとして、ジョギング中の人を急停止させた。心がなごむ場面でも、運転中は油断しない。
歩行者に気を取られ、バイクを…2022.06.23信号のない交差点を左折するとき、車道にはみ出して立つ歩行者と、低い夕日のまぶしさに気を取られ、右から来た二輪車と互いに急ブレーキになった。何かに気を取られると、ほかの方向への注意がおろそかになる。
続く自転車の飛び出しに叱りを!2022.09.02一時停止をしてから左折しようとしたとき、左から自転車の少年が飛び出し、続いて母親と思われる自転車も飛び出してきた。危険は一つで終わらず、続けて起こることがある。
ライトとライトが重なる偶然2022.09.24夜、信号のある交差点で左折するとき、強引に右折してきた二輪車のライトに目を奪われ、横断歩道を渡ってくる自転車に気づくのが遅れた。動く光に目を奪われず、全体を見る意識を持つ。
青でも、見通しの悪い横断歩道は要注意!2022.10.09青信号で横断歩道に近づいたところ、止まっているトラックの陰から、高齢の男性が歩行者信号が赤なのに渡り始めた。見通しの悪い横断歩道では、青でもスピードを落とす。

例:駐車場・乗り降り・発進のときのヒヤリ

記事の題名公開日要点
“ダッチリーチ”で、ドア開け事故を防ぐ2022.03.30車のドアを、ドアから遠いほうの手で開けると上半身がひねられ、自然と後ろに注意が向く(自転車の多いオランダで考えられた開け方)。同乗者がドアを開けた事故でも、運転者が責任を負う。
バック駐車、こだわりの大迷惑2022.04.30高速道路のサービスエリアで、前向きに止める駐車スペースにバックで止めようとして何度も切り返し、後ろに車の列ができていた車を見て、自分の運転も見直した。
注意! 帰省中の孫とクルマ事故2022.08.09低速で子どもがひかれる事故は、自宅周辺50m以内、発進時に多い(交通事故総合分析センターの分析)。発進するときは、車のすぐ近くの死角に子どもがいないか注意する。
車の陰に車ありの教訓2022.09.16薄暗い駐車場で、1台が出た空きスペースにバックで入ろうとしたら、別のスペースからもう1台出てきていて、ホーンを鳴らされた。バックするときは、何もないと思い込まずに確認する。
歩行中に見たミニバン挟み込みのヒヤリ2022.10.16ミニバンが発進した瞬間、そばに置いたベビーカーも引っ張られるように動き出した(電動スライドドアに触れていたか挟まっていたかは不明)。スライドドアの開け閉めや発進の前に、周りの人や物の位置を確かめる。

例:高速道路・幹線道路でのヒヤリ

記事の題名公開日要点
高速道路、高齢者なりのハイ・スピードを2022.03.23最高速度120km/hの区間がある高速道路で、一定の車間距離を保つのが難しく感じた体験から、無理をせず、自分に合った速度や車間距離で走ることを取り上げている。
流れに“つられる”危険2022.04.23片側3車線の幹線道路で、前の大型トラックが分岐して視界が開けたとたん、前の乗用車のブレーキランプが見え、急ブレーキで追突をまぬがれた。経験にもとづく予測があいまいだと、かえって危険を招くことがある。
ETCカード半挿入の顛末2022.05.16ETCカードがきちんと差し込まれておらず、ETCレーンで「未挿入」となった体験と、その後の対処。走り出す前に、ETCカードがきちんと差し込まれているか確かめる。
高速道路の安全な車線選び2022.07.16片側3車線の高速道路での車線の選び方。真ん中の車線は低速車や合流車に気を使わず走りやすいが、そのぶん緊張感が薄れるので注意が必要。
無理な追い越しは、やはり禁物2022.07.23自動車専用道路の終点近くで、2車線が1車線になる前に前の車を追い越そうか迷ったが、やめた。2車線のときのスピード感のまま1車線に入る危険に気づきにくいことを取り上げている。
ミニバンタクシーに驚かされる2022.07.30隣の車線のミニバンが、手を挙げた歩行者に近づこうと急に目の前を横切った。タクシーとわかる装飾のない、ミニバン型のタクシーだった。新しい型のタクシーも覚えておく。
何でもない日常運転にもリスクは潜む2022.08.23自動車専用道路で、前をコンクリートミキサー車、右の車線をトラックの列に囲まれて右に移れず、その先で走っていた車線がふさがれていたため、出口で降りることになった。前が見えにくくなる大型車の近くは、なるべく避けて走る。

例:信号・合図、体と車の点検、運転の見直し

記事の題名公開日要点
一時停止違反は臨時認知機能検査に2022.03.1775歳以上の運転者が一時停止違反など一定の違反(18の基準行為)をすると、臨時認知機能検査を受けることになる(記事公開時点の説明)。普段から、停止線の直近で止まることを意識する。
センサー異常を招く春の嵐2022.04.09障害物がないのに、止まるたびに警告のブザーが鳴った。原因はセンサーにこびり付いた泥だった。センサーの汚れもふき取っておく。
バス運転手に学ぶ、プロの後方確認2022.05.30路線バスの運転手が、ミラーを見る順番を決めて確認したり、発進時に「右よし、左よし」と指差し確認をしたりする様子から、後方確認の方法を学ぶ。
ハンドルを握る位置の慣れと油断2022.06.30講習会で、ハンドルを持つ位置が下がり気味だと指摘された。下側の手の位置では緊急事態に間に合わない。ハンドルを正しい位置で握り続けられるようにする。
信号が赤からなかなか変わらない2022.07.09初めての町で、停止線から離れて信号待ちをしていたら、感応式の信号だったため、なかなか青に変わらなかった。感応式や時差式など、信号機の方式の違いをおさらいしておく。
危険予測の老化対策にドライブレコーダー2022.08.16前の車が、自転車が車道に出てくることを予測できずにセンターラインをはみ出した場面から、危険予測の力を保つ方法として、ヒヤリハットがあったらドライブレコーダーで運転を見直すことを取り上げている。
白内障手術の後先2022.08.30まぶしさで夜の運転がつらかったが、白内障の手術で見え方が改善し、運転への意欲も戻った体験。よく見えるぶん、カーナビなどを見つめすぎない注意も必要だとしている。
事故から学ぶ、自身の健康チェック2022.09.30近くで起きた高齢のタクシードライバーの死亡事故をきっかけに、ハンドルを握る前に体調に違和感がないかを確かめることを取り上げている。
認知機能に問題? “挙動不審車”に遭遇2022.10.27丁字路交差点で信号待ちをしていた前の車が、反対車線に入って信号を待った。自分の認知機能も本当に大丈夫か、謙虚に考えながら運転することを取り上げている。
サンキューハザードの誤解2022.10.30道を譲ってもらったお礼にハザードランプを点ける“サンキューハザード”は、誤解される危険性があるという意見も多い。著者は、ハザードランプは本来の使い方に一本化すべきだとしている。

危険予測の練習

動画で危険予知トレーニング(JAF)

JAFの「「実写版」危険予知・事故回避トレーニング」では、交差点編、住宅街・市街地編、駐車場編、カーブ・坂道編、高速道路編、夜間・夕方編、雨天・霧編、降雪・凍結編、路面電車・踏切編、自転車編、歩行者編、バイク編、いろいろなモビリティ編の場面別に、実写の動画で危険予知トレーニングができます。

トレーニングの流れ:1. 映像を見ながら次に何が起こるか考える 2. 潜んでいた危険を見る 3. ヒント・ポイントの解説 4. 別の視点からも見る

「危険予知トレーニング」とは、交通安全教育において事故防止効果のある手法とされており、道路交通に潜む危険を事前に予測し、適切に対応することにより交通事故を未然に防止しようとするものです。

—— JAF「「実写版」危険予知・事故回避トレーニング」より
  • ※JAFのページでは、「危険予知」に関する講習会など、企業・団体が開催する講習に講師を派遣するとしています(詳しくは最寄りのJAF支部へ)。

動画で見る(YouTube)

  • 【危険予知トレーニング】住宅街編 #03 ~一方通行路の注意~ (外部サイト)

    JAF Channel(一般社団法人日本自動車連盟)長さ:1分42秒公開日:2015年6月23日

    JAFの「「実写版」危険予知・事故回避トレーニング」の動画(SCENE19 住宅街編その3)。住宅街の一方通行路を走っていて、道路には犬を散歩させている人や高齢者がいる場面で、何に注意するかを考える。

記入シート(印刷用)

講習会で配って書いてもらうための記入シートです。開いたページの「このシートを印刷する」を押すと、A4の用紙に印刷できます。

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